大海の放下
三方を山に囲まれた大海地区。ここには、古くから伝えられる民俗芸能「大海の放下」があります。毎年8月の14、15両日に行われる盆の行事で、県の無形民俗文化財に指定されています。高さ3mもの大団扇を背負い、腹に太鼓をくくりつけ、古くから伝わる歌謡に合わせて舞い踊る3人の舞い手。平安末期、歌と念仏をもって放浪した放下僧のわざが、時代を経て大道の芸となり、この地に根を下ろしたものです。
大海の放下踊りは、夕刻から初盆の家々を訪ね、新仏の供養をして廻ります。鎌倉時代から伝わる、哀調を帯びた節回し、鉦や笛の音が、宵のまちに響きわたります。
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