石硯(せきけん)
名倉鳳山 縁立て・内彫り作業風景
名倉鳳山作「無陵硯」(幅22.5×15.0cm、高さ6.0cm)
指定種別
愛知県指定無形文化財(工芸技術)
指定名称
石硯(せきけん)
指定年月日
令和7年8月5日
保持者氏名(雅号)
名倉利幸(五代 名倉鳳山)
説明
鳳来寺参道における石硯(石製の硯)の生産は、遅くとも江戸時代には成立し、参詣者の参詣記念と実用を兼ねたお土産品として作られていたようである。
鳳来寺硯は、地元の鳳来寺山の麓で産出する金鳳石(頁岩)、鳳鳴石、煙厳石の三種類の原石を用いて制作している。制作工程は砕石に始まり、石取り、平板作り、荒削り、縁立て・内彫り、磨き、仕上げの順に行う。
石硯は、産地固有の石材と伝統的な制作技術を基に、意匠に工夫が加えられ、高度な芸術的表現を可能とする工芸技法として高く評価されるものである。
名倉利幸(五代 名倉鳳山)氏は平成15年に五代鳳山を襲名、平成22年に新城市無形文化財「鳳来寺硯制作」の保持者として認定。採石された原石を最大限に活用し、材質や模様に即した一品制作に徹し、姿においても千差万別となっている。
また、硯の制作(硯刻)においては、単に硯を「墨の道具」にとどめず、日本人の美意識が造る「心の器」を目指し、独創的造形力の研鑽により数多くの賞を受賞している。その伝統技法を極めた技と独自の斬新な作風が融合した「無陵硯」が硯の分野で初めて文化庁買上作品となり、「硯」の評価を「単なる道具」から「美術工芸品」の世界に引き上げることに貢献するなどその作品や業績は高い評価を受けている。
お問い合わせ
新城市 教育部 生涯共育課 設楽原歴史資料館
電話番号:0536-22-0673
ファクス:0536-22-0673
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