北條時頼坐像(ほうじょうときよりざぞう)
種別
市指定有形文化財(彫刻)
指定年月日
昭和48年10月22日
説明
本像は割矧造で像高約80センチメートル、全高約100センチメートルを測り、ほぼ等身大の造りとなっています。部材は檜材もしくは針葉樹材を使用し、目は彫眼とし、仕上げは彩色されているが現状は後世の補修によるものとされています。
制作者は不明であるが造像年代は、像の奥行きも豊かで量感を感じさせる造りであることや顔の肉付けには繊細な起伏が認められる作風、像内のノミ跡などの構造上の特徴などから鎌倉時代後期の作とされています。
愛知県史編さん室の調査によると、「この像の頭髪は剃髪し、襟元には下衣をみせ、前合わせの法衣に袈裟をつけて座り、出家した姿である法体で表現されており、頭頂部をやや尖らせて目を見開く姿は神奈川県の明月院に安置されている北條時頼像にも共通する特徴を有しているとし、総合的に判断してこの像は北條時頼の肖像と評価でき、像主が特定される鎌倉時代の俗人法体肖像の一例として意義深い作例」と評価を与えています。
さらに地区内の伝承では、この像は北條時頼の徳を慕って鎌倉に請願して迎えたものであるとも伝えられています。この像は、『改訂八名郡誌』には高福寺観音堂内で祀られていたとされています。
【参考文献】
鈴木重安 1956 改訂八名郡誌
鳳来町教育委員会 1967 鳳来町誌 文化財編
鳳来町教育委員会 1998 鳳来町文化財ガイド
愛知県総務部総務課県史編さん室 2004 「熊野神社の北條時頼坐像」『愛知県史だより第16号』
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