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放射線Q&A

ページID:437573932

更新日:2020年1月8日

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放射線Q&A

Q1. 放射線とは?

Q2. 放射線と放射能の違いは?

Q3. 放射線を医療に利用しているのはなぜですか?

Q4. 胸のX線写真を毎月1度撮っているんですが、何か影響はないのでしょうか?

Q5. 放射線の危険性については、どのように考えればよいのですか?

Q6. X線写真は1回に何枚まで撮影しても大丈夫なんですか?

Q7. 妊娠中に歯のX線検査を受けても大丈夫ですか?

Q8. 妊娠と知らずにX線検査を受けてしまいましたが、心配ないでしょうか?

Q9. 放射線を浴びると「ガンや白血病」になるというのは本当ですか?

Q10. 放射線を生殖腺に受けると子供が出来なくなるのですか?

Q1. 放射線とは?

A.放射線は、大別して電磁放射線(X線、γ線等)と粒子線(α線、β線、中性子線等)に分類され、空気をプラスイオンとマイナスイオンに分離する能力を持っています。電磁放射線は波長が非常に短い電磁波で医療領域で用いられる放射線の大多数を占めています。粒子線は、それ自身が質量を持っていて自然界に存在する放射性物質から放出されるα線、β線、加速器や原子炉で人工的に作り出される電子線、陽子線、中性子線等があります。

Q2. 放射線と放射能の違いは?

A.放射性物質や放射線発生装置から出てくるのが放射線で、放射性物質が放射線を出す能力(強さ、性質)を放射能という。「電球」と「その電球から発せられる光線」に例えられ、「電球」が放射能で「光線」が放射線です。

Q3. 放射線を医療に利用しているのはなぜですか?

A.放射線には、

  1. 物質を透過する性質(透過作用)
  2. 写真フィルムを感光させる性質(感光作用)
  3. ある物質に当たると蛍光を発する性質(蛍光作用)
  4. 物質を透過する際にその物質を作っている原子や分子にエネルギーを与えて原子や分子から電子を分離させる性質(電離作用)があります。

これらの性質を利用して体を傷つけることなく病気の診断や治療に用いられ、健康を守るのに役立っているからです。

Q4. 胸のX線写真を毎月1度撮っているんですが、何か影響はないでしょうか?

A. 胸部X線写真1回に受ける被曝線量の最も高いのは、皮膚表面で0.15mGyから0.2mGyです。ごく少量なので、何か影響が出ることはないと考えられます。下記に症状が現れ始める線量を示します。毎月1回、1年間胸部撮影を行ったとしても1.8mGyから2.4mGyですので問題ありません。

  • 皮膚障害 : 5000mGy
  • 白内障 : 2000mGy
  • 水晶体混濁 : 500mGy
  • 永久不妊(女性) : 2500mGy
  • 永久不妊(男性) : 3500mGy
  • がん、遺伝的影響 : 200mSV

 ※Gy(グレイ):体がどれだけの放射線を吸収したかを表す単位

 ※SV(シーベルト):放射線の照射による人体への晩発的な影響を表す単位で、吸収線量に放射線荷重係数を掛け合わせた値で示します。X線の場合1Gy当たった時が1SVになります。

Q5. 放射線の危険性については、どのように考えればよいのですか?

A.私達は常に宇宙や大地、人間の体内や食物など自然界から様々な形で避けることの出来ない自然放射線(年間約2.4mSV)を受けています。これらの自然放射線は人間にとって影響がないと言われています。

一般に放射線を利用した検査や治療は非常に危険が高いと思われがちですが、適切な使用方法が守られている限り危険度は決して高いものではありません。また、私達が生活している環境には放射線以外にも多くの危険性があります。例えば、日常生活における不慮の事故や大気汚染、食生活や喫煙習慣などの方が私達に与える影響としては、放射線よりも多くの危険性があると考えられています。この様なことから現在の医療において放射線の利用は必要不可欠なものになっています。放射線によるわずかな危険を心配して病気の発見や治療が遅れ生命を失うようなことがあってはならないのです。医師から説明を受け安心して放射線による検査や治療を受けてください。

Q6. X線写真は1回に何枚まで撮影しても大丈夫なんですか?

A.1回のX線検査で撮影する枚数制限はありません。病気の発見や経過観察をするためなど、医師が必要と判断した必要最小限の枚数分だけ撮影されます。人間の体はとても複雑な構造をしているのでX線検査をする部位や病状などによっていろいろな方向から撮影することがあります。標準的な撮影枚数を示します。

 胸部:1枚から2枚、 腹部:1枚から2枚、頭部:2枚から6枚、 脊椎:2枚から7枚

 胃(バリウム検査):8枚から15枚、大腸(バリウム検査):10枚から20枚

医学の進歩とともに放射線医学も急速に進歩しています。以前に比べ放射線による被曝量も大幅に少なくなっています。ですから身体の異常や治療の経過など正確に検査する必要がある場合には枚数を心配することなくX線検査を受けてください。

Q7. 妊娠中に歯のX線検査を受けても大丈夫ですか?

A.歯科診療においてX線検査は装置の普及率も高く日常的に容易に行われています。

歯科のX線検査については胎児がX線を浴びる可能性はほとんどなく、胎児の被ばく線量は無視できる程低いものです。一般に胎児に対する放射線の影響は、大人や小児に比べ大きいとされています。特に妊娠初期ほど影響は大きくなります。しかし腹部(骨盤部)以外のX線検査の場合、医師の判断で生殖腺への影響がないと考えられた場合や治療上必要とされた場合においては検査を避ける必要はないと考えられます。

Q8. 妊娠と知らずにX線検査を受けてしまいましたが、心配ないでしょうか?

A.妊娠初期は本人も気付いてないことが多く、X線検査を受けて腹部を被ばくしてしまうことがあります。今回のように妊娠と知らずに検査を受けた場合、おそらく受精後2週間から6週間の時期であると考えられます。この時期は主要器官の形成期であり、ある線量以上の放射線を子宮内にいる胎児が被ばくした場合は奇形が発生する可能性があります。奇形が発生する線量は100mGyといわれています。

ところで、病院で検査に使用される放射線量は非常に少なく、胸部のX線写真ですと子宮にX線が直接あたることはまずありませんし、腹部ですと約100回を一度に受けないと100mGyを超える線量にはなりません。このように一般検査による影響で奇形等の発生する可能性はほとんどありません。しかし検査によっては線量が増える場合も考えられますので、妊娠の可能性のある場合にはよく相談されてから検査を受けるようにしましょう。

Q9. 放射線を浴びると「ガンや白血病」になるというのは本当ですか?

A.人が生まれてから生涯を終えるまでに、ケガや病気をして診療を受けたことによる放射線被ばくで、ガンや白血病になることはほとんどありません。また、私達が健康管理や疾病治療の目的で受ける医療用放射線と自然界から受ける自然放射線の被ばく線量程度ではガンや白血病以外の放射線障害が発生することもほとんどありません。人体への放射線障害は原子爆弾による被ばくや原子力関係施設の重大事故等により全身に相当量の放射線を浴びるなどしなければ発生しません。

Q10. 放射線を生殖腺に受けると子供が出来なくなるのですか?

A.子供が出来なかったり、出来にくくなることを不妊といい、大量の放射線を被ばくした場合にも不妊になることがあります。ただし、自然放射線や医療用放射線による被ばくでは不妊になることはありませんので心配しないでください。生殖腺細胞が細胞死を起こすと現れる現象が不妊です。放射線による不妊はある一定の線量を超えて被ばくしない限り影響は現れません。受けた線量が少ない場合に一時的に不妊になる場合があります。これは被曝後しばらくの間子供が出来にくくなるということで何ヶ月か過ぎると再び出来るようになります。


症状

急性被曝

慢性被曝

男性

一時的不妊

150mGy

400mGy/年

男性

永久不妊

3500~6000mGy

2000mGy/年

女性

一時的不妊

650~1500mGy


女性

永久不妊

2500~6000mGy

200mGy/年

特殊な事故などにより生殖腺に大量の放射線を被ばくするという異常な事態がない限り、一般の人たちが放射線により不妊になることはまずないと考えて良いでしょう。

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新城市民病院 医療技術部 放射線課

電話番号:0536-22-2171(代表)

ファクス:0536-22-2850

〒441-1387 愛知県新城市字北畑32番地1

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