下水道施設は、生活環境の改善や公共用水域の保全に大きく貢献しており、私たちの生活に欠かせないものです。この下水道施設を適正に維持し、長期的かつ効率的に下水道事業を運営するためには経営状況や資産を的確に把握する必要があります。企業会計方式はこれらを明確化することができ、下水道事業の健全運営を推進するものです。

 

官庁会計方式と企業会計方式の違い

官庁会計方式

 現在採用している会計方式で、市の一般会計と同じ経理方式です。いわゆる家計簿のようなもので、実際の現金収支に対して処理を行う単式簿記になります。 

企業会計方式

 現金以外の収支や資産や負債の増減に対しても処理を行う複式簿記です。例えば建物などの資産を取得した場合、取得した年度の費用として計上せず、建物の耐用年数に渡って費用計上します。

 

例 平成28年度に100万円の下水道管(耐用年数5年)を整備したことにより下水道使用料20万円が得られる場合

官庁会計方式の場合                    (単位:万円)

  H28 H29 H30 H31

H32

H33 合計
収 入 0 20 20 20 20 20 100
支 出 100 0 0 0 0 0 100
収 支 △100 20 20 20 20 20 0

企業会計方式の場合

  H28 H29 H30 H31 H32 H33 合計
収 益 0 20 20 20 20 20 100
費 用 0 20 20 20 20 20 100
利 益 0 0 0 0 0 0 0

 

 

企業会計方式による効果

経営状況等の明確化

 管理運営による取引(損益取引)と建設改良による取引(資本取引)に区分して経理を行い、一定期間の経営状況を表す損益計算書や一定時点の財政状況を表す貸借対照表を作成します。これにより経営分析や経営戦略がしやすくなります。 

適正な維持管理

 固定資産評価を行うことにより、資産の耐用年数等を把握することができるため、中長期的な維持管理の分析及び計画的な資産の更新をすることができます。 

 

口座振替の取扱について

 企業会計方式への移行により、独立採算性の原則から市の口座とは別に下水道事業の口座を開設します。このため、下水道事業受益者負担金、下水道事業受益者分担金、農業集落排水事業受益者分担金、農業集落排水事業使用料を口座振替されている場合、口座振替先が下水道事業の口座へ変更になります。この変更により通帳記載事項が変わることはなく、手続きについても市と金融機関で行いますのでご承知おきください。