3月議会に上程した21年度予算案説明に先立つ、市長所信の冒頭部分をお知らせしておきます。

 

 いま多くの人々が望んでいる社会の姿はどんなものなのか、われわれはどこから来て、どこに向かおうとしているのか。そのことに対する見解でもあります。

 

 では以下です。

 


 

   いま、われわれのよって立つ世界の基盤が大きく揺れ動いております。

 

 各種報道は、連日のように経済危機の底知れぬ深さを伝えています。企業業績の悪化、雇用不安の増大、GDPの記録的下落など、かつて経験したことのない状況のなかで、どう考え、どう行動すべきか。

 

人々は、それぞれの立場で、真剣に自問していることと思います。

 

 一家の主は、どのようにしたら家族の生活を守ることができるのかを。

 企業経営者は、受注を確保し、従業員の雇用を維持するために打つ手は何かを。

 教育者は、学校からはじかれてしまう子を出さないために出来ることは何かを。

 治安を預かる者は、社会不安から生まれる犯罪を未然に抑止するにはどうしたらよいかを。

 

 それぞれの置かれた状況のもとで、さまざまな問いかけがなされ、決断が下されていることでしょう。

 

 ひとごとのような時事評論や、痛みの伴わぬ将来予測によって、わが国社会の明日が決まるのではなく、苦しくとも自ら下すほかない国民それぞれの選択と、その行動の集大成こそが、明日の社会を形づくります。

 

 人間の行動原理は、昔も今も変わりません。

 

 人は自ら欲するものを欲し、欲するものを手に入れるために行動し、こうありたいと願う姿に近づくために労苦を払います。

 

 いま多くの日本国民は、自分だけが助かればよいとは考えていません。いや、自分だけが富み、自分だけが享楽を得、自分だけが助かる世界など、ありえないということを学んできたのではないでしょうか。自分よりももっと困難に直面した人たちがおり、その人たちが救われることが先決であり、それによってこそ、自分もまた安心して日々の生活を送れるのだと、考え出しているのではないでしょうか。

 

 相互扶助と社会的連帯の欠如した現状から、それが復権された社会へ。

 

 これが多くの人々が欲している社会の姿です。

 

 そこに近づき、それを実現するために行動する最初の場、それが地域社会であります。

 

 私は、地域自治あるいは住民自治とは、「隣人愛」の体現だと考えています。正確に言えば、新市発足後の市政運営のなかで、そのように学んでまいりました。

 

 旧3市町村の合併によって誕生した新城市は、都市的な機能と農山村的な環境とを合わせ持ったまちとなりました。内陸工業地域であるとともに、農林業をバックグラウンドにもった地域でもあります。

 

 各種調査の結果から浮かんでくること、それは、市民の多くがこうした市域の特性を踏まえ、これからのまちづくりとして、都市的な利便性の向上と豊かな自然・文化を大切にすることとの両立を望んでいることです。

 

 しかしそのためには、隣り合う者同士が、互いを受け入れ、互いを理解し、互いを活かしあう道を見つけ出していかねばなりません。合併前の各地区がもっていたさまざまな資源を、市民共有の財産として慈しみ、共同で活用できる仕組みを創出できなければなりません。山間集落を切り捨てて中心市街地が発展するのでもなければ、中心市街地の衰退をほっておいて農林地が守られるものでもないことを、市民が心の底から納得して協働しあうことが必要となってきます。

 

 合併後の新市一体化に向けた歩みは、まさにこうした課題に新城市民がいかなる答えを出したのかを示しています。

 

 われわれは合併特例事業として、まず市域全体の安全を守るシステムを統一しました。デジタル防災行政無線や消防防災センターの建設がそれであります。3地区で進捗に違いのあった学校耐震計画も一つの工程表にまとめました。

 

 市民病院を守る行動に、北設楽3町村住民とともに立ち上がりました。

 

 大都市部との格差が放置できなくなっていた情報通信基盤整備にあたっては、広大な市域をもれなく光ファイバー網でつなぐことをもって応えました。

 

 ゴミ処理を統合し、各施設を合理的に使いまわしながら、収集サービスの拡充をはかりました。

 

 公共バス路線を思い切って見直し、これまでの行政境界を取り払って、とくに「交通弱者」に配慮した、使いやすい路線ネットワークを構築しはじめました。

 

 文化、観光、スポーツの事業で、共通のテーブルをつくりました。

 

 一番難題と思われていた各種公共料金や保険料率などの統一体系に向けて、知恵を絞りあいました。

 

 行政区はじめ地域組織のあり方にも、思い切って踏み込み、新市としての方向づけを与えようとしています。

 

 そして市民の希望と英知を集めて、合併時のビジョンをこえる第1次総合計画を策定しました。

 

 『市民(ひと)がつなぐ 山の湊(みなと) 創造都市』と銘打たれたこの計画は、今後10年にわたる市政運営を司る合意文書としての役割を、しっかりと果たしていくでありましょう。

 

 しかもこの間の歩みは、厳しい財政運営のなかで続けられたのです。

 

 行政組織も多くの点で改革に取り組みましたが、市民皆さまにも負担をお願いする場面が数多くありました。

 

 議会も自己改革を進め、議員定数や選挙区の見直しに自らの身を切りました。

 

 これからわれわれは、地域自治組織の本格的な検討に入ってまいります。行政区の再編、学校再配置、地区計画や地域担当制度、集落支援システムなどに乗り出していきます。

 

 「市民自治社会の創造」は、総合計画最上位の目標でありますが、それはとりもなおさず、主権者である市民が地域共同体のあり方を自ら決し、人が住み続けられる近隣社会をつくりだすことをめざすものに外なりません。

 

 こうして、世界の姿を変えてしまうであろうこの大変革期に、本市は、新たな市民自治の理念を打ち立てたうえで対処する立場を固めています。

 

 このような意味で、21年度の市政運営は、昨年末から急速に悪化してきた経済危機のただ中にあってもなお、第1次総合計画を実行に移し、地域経済の落ち込みを下支えする公共部門の役割を果たしながら財政の健全化を進め、その中から確実に市民自治社会を創造する力を蓄えていくことが求められるものであります。

 


 

少し長文にわたりました。お許しください。

この後、21年度予算案の特徴と具体的説明に入っていきます。

それにつきましては、公式資料をご覧ください。

/index.cfm/7,3226,c,html/3226/20090217-143252.pdf

先ごろ公表した予算概要です。

 

メジロ1

 かわいい写真が届きました。

 市役所近くのキンモクセイに毎日のように遊びにくるそうです。

 

 

 

 

 

メジロ2

 

枝にさしておいたオレンジがお目当て。

 

 

 

 

 

 

 

メジロ3

 

 おとっとっと........

 窓にぶつかって脳震盪をおこしたメジロを緊急保護。

 

 この後無事飛び立っていったと思います。