「しゃが」の花
で、今日のタイトルしゃがの花といえば、かなりマイナーな部類と思うが、ときにはこういうケースも生まれる。それは人生途上で特別な印象をうけた出来事を、特定の花が象徴している場合だ。
しゃが(射干・著莪)の花。辞書風にいえば、あやめ科の多年草で、樹林の湿った林床に群生し、5月から6月にかけて花を咲かす、という。

鳳来地区の拙宅、その裏山に父祖らが眠る墓所がある。まわりは深い杉木立。かれこれ15年ほど前に母を、数年を経ずして父を、私どもはこの墓に葬った。その直後、ちょうど今頃の季節だが、ふらりと墓に足を向けた私は、思わず息を呑むことになった。

墓のまわりを、見たことも聞いたこともない白い花が、点々と咲き広がっているではないか。信心とは無縁な身ながら、先立った人々が花になって出会っているのかとさえ思えた。
あとで花に詳しい人を連れてきて、はじめてそれがしゃがという名の花であると知った。こうして私はしゃがについては他と見分けがつくようになったので、今日はそれを自慢してみたくなったのと、昨日書いた「山笑う」季節、樹木の足下ではどんなことが起こっているのかをお知らせしたくなって、この話題と写真を選んでみた。
しゃがと同じ時期には、自生の「藤」も見られる。
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