緑化、花化、そして「パブリックスペース」
確かな統計数値の裏づけをとったことではなく、自分の見聞きする範囲の体感的な推論だが。
全国各地の、地域づくり、まちづくりの活動のなかで「花」の占める位置は日増しに大きくなっているように思う。
本市でも地域住民皆さんのまちを活性化させようとするさまざまな自主的な取り組みをみていると、花を植え、育て、みんなで地域を盛り立てる運動がたくさん見られる。
比較的とりつき易いことや、目にみえる形になることや、外からみても地域のイメージアップになることなど、直接の理由はいくつでも挙げられるが、この活動の根はとっても深いように感じている。
かつて「国土緑化運動」というものが起こった。今でも続いている。「緑の羽根」で知られるものですね。
終戦後の国土は疲弊と崩壊の極にあって、はげ山と化した山々の崩落、土砂災害は、深刻な被害を及ぼした。
木材需要にこたえる意味もあって、一大植林・緑化運動が起こった。
いま日本の山は緑に覆われていて、われわれの先達が成し遂げた偉業の一つにも数えられよう(林業の衰退と人工林の荒廃についてはまた別のテーマであるが)。
この緑化運動は、都市部での壁面緑化のような形で、目標をかえながら継承されている。
一方山々や里地の景観は、人工林の深緑で覆われ、いささか単調化の傾向がないともいえない。
四季折々の変化と生活の彩り、地域への愛着の具現化とまちづくり協働の仕掛けとして、いわば「花化」運動が静かに、しかし広く深く進行している。
団塊世代の退職期がここに重なり、遊休地の増大が対象スペースを提供しており、観光・交流の広がりが地域同士に刺激を与え合っている。
前のブログで書いた「安心して暮らし続けられる地域」づくりにとっても、花化のもつ精神的影響は決して小さなものではない。
そして花は人を引き寄せるので、人々の交歓、憩い、散策のスペースを生み出し、その意図的・計画的な設計は、新しい公共空間の造形へと展開していくだろう。
20年後くらい、日本中が花だらけになっている情景を想像して楽しんでいる。
写真
三河の山里で。









