昨年後半期以来の経済危機と雇用不安のなかで、本欄でも「ワークシェアリング」のことに何度か触れてきた。

 

 2月17日付け『GDP値』では、次のように書いた。

 

 『~これまで日本でワークシェアリングが広まらなかったのは、残業代を込みにして何とか人並みな生活が送れるという給与体系で、また正社員と非正規の間に大きな格差があって、そこに踏み込もうとすると、給与や待遇が大きく低下してしまうのではないか、非正規の人を整理することで正社員の待遇が維持されるならそうしておいてほしい、という気持ちが労働現場に強くあったからだろう。

 

 ところが今回の危機は、その範ちゅうをはるかに超えている。「明日はわが身」で、大企業の正社員にも「人員整理」の波が押し寄せつつある。好不況の加減で、給料に変動が出るのは仕方がないとしても、働く場がなくなり、職そのものを失うことの過酷さはたとえようがない。

 

 明日のわが身を守るためにも、正規、非正規を問わず全体の雇用を守ることの方が大切ではないか・・・こんな意識変化がきざし始めているように思える。~』

 

 最近の報道によれば、政労使三者による協議が進み、「今度こそは」ワークシェアリングに本格的に取り組むことが合意されつつあるという。

 

 その仕組みの一例はこういうもの。

 

 正規社員の残業を減らし、その分、非正規の雇用を維持した場合、失った残業分について国が一定基準で補助する。(新聞記事より)

 

 なるほど、これが日本型。ワークシェアリング先導国の仕組みと比べると、かなりな違いがあって、理念と戦略の相違とも受け取れる。

 

 が、それはさておくとして、この日本型ワークシェアリングが進んでいくとすると、どういう問題が生じてくるか。とくに地域社会のなかで、自治体政策課題のなかで。

 

 国の補助制度があるとはいえ、日本型ワークシェアリングは、個々の賃金水準の低下につながりやすい。そうすると、家計維持のために、主婦層の就労が増える。

 

 少子化、労働力人口の減少も、女性や高齢者の就業を増やす要因となる。

 

 そうこうしていく内に、労働者の賃金体系が、夫婦共働きを前提にしたものへと変わっていくのではないか。いまでも実態としてはそうなりつつあるが、さらに拍車がかかる。

 

 戦後長らく、厚労省などが基準としてきた標準家計モデルは、夫がフルタイム被用者、妻が主婦専業もしくはパート労働、子ども2人の4人家族。工業化、都市化のなかでの勤労者核家族世帯が、標準モデルとされてきた。

 

 企業の給与や福利厚生システムもそれを支えてきた。

 

 住宅費と教育費の増大で、パート就労が増え、かつ女性の職場進出が進んで、高齢社会の介護が家庭だけでは担えなくなった結果生まれたのが、介護保険制度。

 

 そして今日の経済危機と社会変化。標準家計モデルは、おそらく過去のものとなっていくだろう。

 

 この変化は、いよいよ出産・育児を社会全体としてどう支え、後押しするのかという課題を、全国民的テーマに押し上げる。

 

 共働き前提の家計モデルでは、子育てにかかる時間と労力を、ますます家庭単独では担いにくくするからだ。

 

 「日本型ワークシェアリング」は、この面の政策開発と制度設計を強く求めてくるだろう。

 

 と、私は思うのだが、皆さんにはどう見えているだろうか。

 


 

ここ数日の冷え込みで、作手地区では薄っすら雪化粧。

そこを駆け抜けるのは・・・・

 

鹿

 

 

日本鹿

 

 

 

 

 

桜

 

かたや、市役所・体育館前の桜。

 

 

 

 

 

いずれも27日朝。